現地時間、8日の今日からいよいよ競技スタートです。
朝、ホテルを出て、昨日と同じメンバーに会長の三井さんが加わって、今日は9人で何箇所かに分かれた競技会場を回りました。
まずはダウンタウンにあるアイスリンクでのフィギュアスケート。 午前中は規定競技のゾーニングがありました。 ゾーニングとはスペシャルオリンピックスのユニークなシステム。 参加者全員が参加して個人の能力に応じて細かくクラスわけをします。 それゆえ本番では無理のない条件下で順位がつけられ、参加者全員が何らかの受賞を受けます。 まさに「参加することに意義がある」という本来のオリンピックの目的に叶った競技をして、日ごろの練習の成果を発表できるのです。
国によって個性があり、個人によってもその実力はまちまちです。 でもアスリートは誰もそれなりに一生懸命晴れの舞台に力を出し切ります。 緊張した表情が、競技を終えてスマイルに変わる瞬間はまるで自分の家族の一員のパフォーマンスを称えるような暖かい拍手とエールの一体感が会場に生まれます。 ラッキーにも日本から参加の8人中4名のアスリートの出番に遭遇し応援することができました。 日本から同行したファミリーの皆さんにもお会いでき嬉しいひと時でした。
お昼にはスピードスケートの競技場に。 残念ながら日本チームの競技は、観戦はできませんでしたが、その代わり応援席でアスリートたちとの歓談で大変盛り上がりました。 アスリートたちは競技が始まる前に、一週間ほど、この町から2時間離れた町のファミリーの家に分宿してホームスティをしていましたが、そのホストタウンからも応援に来てくださっていました。 アスリートたちのファミリーは世界に広がったようです。
その後、フロアホッケーを観戦。 これはアイスホッケーを氷上ではなく、フロアに代えたスペシャルオリンピックスが開発したゲームです。 日本からも男女19名のアスリートが参加。 冬季オリンピックスでは唯一の団体ゲームで彼らの結束は固く、いいチームが出来上がっていました。 彼らは午前中にゾーニングの試合を終えており、ハンガリーやロシアの強敵の試合を一緒に観戦。 その迫力に圧倒されました。 元気の塊のような25歳の大分から参加のミキちゃんとは話が尽きず、時差ぼけも吹き飛びました。
それにしても、有森裕子さんはどこの会場でも大人気。 姿を見つけるとアスリートもファミリーも彼女を取り囲みフォトセッションが始まります。 さすが、過去のオリンピックの2大会でメダルを獲得したオリンピアンの有森さんはスーパースター。 どこでもにこやかに写真におさまり、まわりに笑顔の輪が広がっていました。 ボイジーではずっと共に行動していますが、話題の尽きない一緒にいてとても楽しい人。 私たちは、ユニクロ提供の同じユニフォームを着ているのですが、さすがアスリート、ユニフォーム姿は絵になりますね。
ボイジーの町はスぺシャリオリンピックス歓迎ムード一色。 町中にはブルーと白の毛糸のマフラーをしたボランティアさんがあちこちに。 常に声を掛けてくれます。 ピンバッチの交換や交流はこの小さな町をとてもインターナショナルな場所にしています。 夜のABCニュースでも毎晩その日のスペシャルオリンピックスウオッチの様子が全米に流れます。 アメリカでは「スペシャルオリンピックスって何?」という質問はないくらいに知れ渡っているのはとても嬉しいことです。 早い時期に日本でも同じようになることを願います。
一行は明日は車で3時間ほどのサンバレーまでアルペンスキー、クロスカントリーなどを観戦に。 天気予報によるとそのあたりは明日はいい雪が降るそうです。 残念ながらわたしは午後にボイジーを一足先に離れます。
ありがとう、ボイジーの皆さん、ありがとう世界から集まったアスリートたち、ファミリー、応援団の同志たち。
日本に帰ってから何をしたいか、かなりはっきりしてきました。